アメリカの在宅ホスピスの現場には「コンフォート・キット」なるものがあると教えていただきました。在宅ホスピスケアをうけておられる患者の自宅に事前に治療薬を常備しておくことによって緊急時に備えているようです。個々の患者に起こるであろう緊急事態の症状はいろいろであり、キットの内容は各患者間で異なっているようです。コンフォート・キットに関連した論文を調べていたところヒットした論文です。全文は見れないのでアブストのみの紹介となりますが、論文が手に入るようなら内容を修正したいと思います。

Comfort care kit : use of nonoral and nonparenteral rescue medications at home for terminally ill patients with swallowing difficulty.
J Palliat Med. 
2014 May;17(5):575-8.  


(背景)
 著者らは、非経口、非経静脈的に用いる救助薬剤からなるコンフォート・ケア・キット(CCK)を考案した。このキットは介護者が嚥下が出来なく、死がさしせまっている患者の症状をコントロールするために使われるものである。この研究の目的は、遺族の介護者の観点からCCKの実行可能性について評価することである。

(方法)
 CCKは死にゆく過程のケアを開始された患者のために介護者に配られます。それぞれのCCKにはモルヒネ、ハロペリドールのアンプル、ロラゼパムの錠剤、アトロピンドロップ、パラセタモール座薬が含まれていて、それぞれの薬剤は舌下または直腸から投与されます。著者らは、CCKの実行可能性(使用割合)、使用のパターン、認知された利益と異議(不利益)、終末期での救急搬送の必要性を評価するために遺族の介護者に電話調査を行った。

(結果)
 49名の介護者が調査を完了した。33名(67%)はCCKを使用したと報告した。大多数(76%)はキットから1種類のみの薬剤を使用した。アトロピンドロップが最も普通に使用され、次にモルヒネ、パラセタノールが続いた。すべての家族のメンバーはCCKを使用するのは容易で、98%は症状管理に効果的だった。一人を除いてすべての患者は在宅で最期を迎えた。

(結論)
 CCKは実行可能で、症状コントロールに効果的であることが理解され、使用法も容易であった。 さらなる研究は、このキットの使用を最適化し関連した成果を提供するために必要である。