ブプレノルフィンのレビューです。

Buprenorphine.
J pain Symptom Manage.  2013 May;45(5):939-49.


 ブプレノルフィンは慢性がん疼痛、非がん性疼痛、オピオイド依存症の治療において復活を遂げてきている。予備的データーでは、モルヒネや他のオピオイドと比べてブプレノルフィンは痛覚過敏や耐性を引き起こすことは少なく、そして免疫系や内分泌系への影響はより少ないことが示唆されている。しかしながらそのような相違があることが実際の臨床において有益性を表しているかどうかを明らかにするために臨床試験が必要である。

(適応)
 米国では注射製剤(300μg)と低用量経皮吸収パッチ(5, 10, 20
μg/時)が中等度から重度の慢性疼痛に承認されている。 高用量舌下錠(2mg, 8mg)と舌下フィルム製剤(2mg, 4mg, 8mg, 12mg)はナロキソンを含有していてオピオイド中毒者の維持療法に使用される薬剤として分類されている。
 米国以外の多くの国では注射製剤に加えて低用量舌下錠(200
μg, 400μg)、高用量経皮吸収パッチ(35μg, 52.5μg, 70μg/時)は中等度から重度の慢性疼痛に承認されている。

(禁忌)
 ブプレノルフィン過敏症、著明な呼吸抑制、急性または重症気管支喘息、麻痺性イレウス(確定または疑い)には禁忌である。経皮吸収型ブプレノルフィンは術後疼痛などの急性疼痛(一過性、間欠性、短期間)、または重度の疼痛のために急速に用量設定(タイトレーション)が必要な時には使用すべきではない。

(薬理学)
 ブプレノルフィンは部分的μ-オピオイド受容体とオピオイド受容体様(ORL-1)の作動薬で、κ-とδ-オピオイド受容体の阻害薬である。ブプレノルフィンはμ-、κ-、δ-オピオイド受容体に高い親和性で結合するが、
ORL-1受容体への親和性は500分の1である。ブプレノルフィンは受容体に結合し、受容体から緩徐に解離する。自覚的作用と生理的作用は一般的にモルヒネに類似している(μ-受容体作動薬)。
 ボランティアでのスタディでは、モルヒネや他のオピオイドと比べてブプレノルフィンは鎮痛効果より抗痛覚過敏作用が顕著であることが示唆されている。しかしながら、このことは一貫した知見ではない。動物実験と症例報告ではブプレノルフィンは神経障害性疼痛に特に効果があることもまた示唆されているが、このことを確認するためにはコントロール試験が必要である。患者ではなく健常ボランティアでは、超低用量のオピオイド阻害薬との同時投与により他のオピオイド同様ブプレノルフィンの鎮痛効果が増強する。
 κ-受容体の阻害効果は脊髄麻酔、鎮静、そして抗精神薬効果に限られる。動物実験ではブプレノルフィンは
鎮痛効果にたいする天井効果あるいはベル型用量ー反応曲線(>1mg/kg)や呼吸器効果(0.1mg/kg)を示している。このことはブプレノルフィンのμ-オピオイド受容体に対する部分作動薬効果に起因することと考えられている。前侵害受容の棘上のORL-1受容体の作動薬効果もまた寄与しているだろう。ヒトの場合は、天井効果は呼吸抑制(~200μg/70kg IV)や他の効果、例えば多幸感(4-8mg舌下)に対しては示されてきたが鎮痛に対しては示されていない。日に最大総量24mgまでの舌下投与で鎮痛作用があることが報告されている。逸話的にはもっと高用量も使用されていて、実際のところは上限用量は明らかではない。したがってヒトでの鎮痛作用における天井効果は英国で推奨されている経皮吸収製剤の最高用量、すなわち3.36mg/日(70μg/時パッチ2枚)よりはるかに高用量である。
 1.6mg/日までのブプレノルフィン経皮吸収製剤と舌下製剤のスタディでは、突出痛に対してモルヒネ(又は他のμ受容体作動薬)を用いることと鎮痛効果を失うことなしにブプレノルフィンとモルヒネ
(又は他のμ受容体作動薬)とをどちらの方法であっても、いずれかに交換することは可能であることを支持している。
 しかしながら高用量のオピオイドを投与されている患者に高用量のブプレノルフィンを用いて変更する場合、多大な困難を経験する。さまざまなオピオイド(経口モルヒネ24時間で15-450mgに相当)を投与されている患者がブプレノルフィン舌下2mgを用いて変更した時、半分以上が耐えれない有害事象を経験して変更を断念した。一般的に有害事象は経口モルヒネ20mg/24時間以下に相当する低用量を投与されている患者でのオピオイド過量と高用量(>300mg/24時間)を投与されている患者でのオピオイド退薬に関係している。修正された用量アルゴリズムは未だに正式に試験されていないが、この経験によって臨床プロトコールの進歩がもたらされた。
 高用量のブプレノルフィンを投与されている患者で突出痛に他のμ-オピオイド受容体作動薬を用いることもまた簡単ではない。それでもなお、通常量より高用量を要するがブプレノルフィン舌下を2-32mg/24時間の用量で投与されている患者でさまざまなμ-オピオイド受容体作動薬が用いられている。
 モルヒネと違ってブプレノルフィンは胆管や膵管の圧に影響しない。ブプレノルフィンは腸管の運搬速度を遅くするがモルヒネより作用は少ないかもしれない。便秘は重症でないことが多い。
 モルヒネと他のオピオイドと比較してブプレノルフィンは生殖腺系やテストステロン値を抑制することは少ない。このことはブプレノルフィンのκ-オピオイド受容体阻害効果に関連している。性腺機能低下は性的欲求と機能の減弱、気分障害、倦怠感、そして他の生理学的影響(筋肉の消耗、骨粗鬆症)に関連しているため、このことは長期間オピオイド治療が必要な患者において重要な考慮事項であるかもしれない。
 
モルヒネと他のオピオイドと比較してブプレノルフィンは免疫抑制効果は少し又はまったく認めない。逸話的な報告では、胆汁うっ滞による掻痒症の患者5名中2名はブプレノルフィン投与にて改善が得られた。しかしながら現状では胆汁うっ滞による掻痒症に用いることを推奨するに十分なデーターは存在しない。

(QT間隔の影響)
 メサドンと比較してブプレノルフィンのQT間隔への影響はより少ない。
140μg/時までの経皮吸収型ブプレノルフィンの用量は米国以外の国で承認されているが、40μg/時で健常人においてQT延長が認められたため米国で承認されている最大容量はたったの20μg/時である。しかしながら、そのQT時間延長は平均9msecであり、懸念(20-60msec)または重大な懸念(>60msec)であると考慮されるレベルよりかなり低いものであった。従ってこういった用量制限は、より過度に制限していると思われる。

(経皮吸収型ブプレノルフィン)
 ブプレノルフィンは脂溶性に富んでおり、そのため経皮投与法に適している。5, 10,または20μg/時で7日間持続する製剤(BuTrans)を入手可能である。米国以外の国では35, 52.5,または70
μg/時4日間持続する製剤(Transtec)も使用することが出来る。他の強オピオイドと同様、ブプレノルフィンは弱オピオイドやモルヒネの代わりとなる薬剤である。ブプレノルフィンは接着基剤(マトリックス)内に均等に分布している。ブプレノルフィンの放出はマトリックスの物理的な特性により制御されていて、パッチの表面積に比例する。皮膚を通って体循環へ入っていくブプレノルフィンの吸収は角質層と血流によって影響される。したがって皮膚が温かく、血管が拡張すれば吸収率は増加する。
 ブプレノルフィンまたはフェンタニルのマトリックスパッチ使用における実用的な違いはなく、類似した安全性考慮例えば外部の熱源に暴露しないことが適用される。フェンタニルと比較して経皮吸収型ブプレノルフィンは良く接着する。しかしながらパッチをはがした後、経皮吸収型ブプレノルフィンは頑固な紅班(±限局性掻痒症)そして時に明らかな皮膚炎に繋がることがある。このことは一般的に接着剤により引き起こされるが、時々ブプレノルフィン自体が接触性皮膚炎をさらにはもっと広範な皮膚発疹を引き起こす。
 後方視的解析では経皮吸収型フェンタニルと比較して経皮吸収型ブプレノルフィンによる治療をうけている患者は用量の増加は緩徐で一定した投与量が長期間継続することを示唆している。このことについてはコントロール試験で確証することが必要である。確かに、系統的レビューでは経皮吸収型ブプレノルフィンに関する質の高いスタディが不足していることを強調している。

(中毒者における舌下オピオイド維持療法)
 ブプレノルフィンは他のμ-オピオイド受容体作動薬より高い親和性で
μ-オピオイド受容体に結合する。中毒者でのスタディではブプレノルフィン16mg舌下により脳内のμ-オピオイド受容体の80%が占拠されるに至り、そのことはμ-オピオイド受容体作動薬であるハイドロモルフォンの自覚的効果と呼吸抑制効果を阻害するのに十分であることが示された。このことは例えば術後疼痛や外傷性疼痛を認める患者における急性疼痛の治療に対して、そして慢性疼痛にて高用量のブプレノルフィンを投与されている患者に対して意味がある。

(呼吸抑制)
 著明な呼吸抑制は臨床的に推奨されている用量ではめったに見られない。呼吸抑制の危険性が少ないことは、ブプレノルフィン(主に舌下錠±ナロキソン)がメサドンより安全らしいことの説明にもなるだろう。しかしながら重大なまたは致命的な呼吸抑制がブプレノルフィンを悪用している中毒者に起こっている。一般的に高容量の静脈投与、そしてベンゾジアゼピンまたは他の中枢神経系を抑制させるものたとえばアルコールと併用している場合である。ブプレノルフィンは非常に強い受容体親和性があるため、標準量のナロキソンはブプレノルフィンの効果をリバースしないし、より高容量を用いられなければならない(BoxA)。非特異的呼吸刺激薬のドキサプラムもまた用いることができる。1-1.5mg/kgを30秒以上かけて静脈投与し、もし必要であれば1時間に1回繰り返すかまたは1.5-4mg/分持続静脈投与を行う。
img231(文献から引用)

(効力比)
 ブプレノルフィンはモルヒネと比べて作用時間が長い。術後の単回投与のスタディでは、ブプレノルフィンはモルヒネが4-5時間であったのに比べ6-7時間の鎮痛効果があった。このことは推奨されている用量頻度(ブプレノルフィンは8時間から6時間ごと、モルヒネは4時間ごと)に反映されている。しかしながらブプレノルフィンのより長い作用時間のために単回投与に基づいた効力比はブプレノルフィンの効能を過小評価するであろうことがほぼ間違いない。したがって次に述べる効力比は厳格なものとして考えないようにすべきである。それらは投与経路またはオピオイドを変更するときに用いるためのおおざっぱなガイドを単に提供するに過ぎない。
・ブプレノルフィン舌下はブプレノルフィン静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与の約半分の効能である。したがって、ざっと200μg舌下は100
μg注射薬と等力価である。
ブプレノルフィン舌下は経口モルヒネの約80倍の効能である。したがって、ざっと200μgブプレノルフィン舌下は15mg経口モルヒネと等力価である。(したがって、高用量のブプレノルフィン舌下錠の使用は非常に高用量のオピオイドに耐容性のある患者に限定される。米国で利用できる最も低い強さの2mgは160mg経口モルヒネと等力価である。
静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与のブプレノルフィンは静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与のモルヒネの30-40倍の効能である。したがって、ざっと300μgブプレノルフィン静脈内投与は10mgモルヒネ静脈内投与と等力価である。
・経皮吸収型ブプレノルフィンは経口モルヒネの70-115倍の効能である。
 最後の比率の下限(70倍の効能)は小さな前方視スタディに基づいており、上限(115倍)は大規模の後方視チャートレビューに基づいている。都合のよい折衷案として、著者らは100:1の効能比を推奨する。したがって、
5μg/時経皮吸収型ブプレノルフィンパッチは約12mg/24時間の経口モルヒネと等力価である。
 経皮吸収型ブプレノルフィン:経口モルヒネと100:1の効力比はまた、経皮吸収型ブプレノルフィンと経皮吸収型フェンタニルは本質的には等力価であると考慮されうることを意味している。しかしながら、経皮吸収型フェンタニル:経皮吸収型ブプレノルフィンの効力比は他の著者らによって1.4:1と示唆されている。経皮吸収型フェンタニル25μg/時そして50μg/時はそれぞれブプレノルフィン35μg/時そして70μg/時と等力価である。たとえそうであっても、オピオイド誘発性痛覚過敏の危険性を鑑み、オピオイドを変更する時は、新しいオピオイドの計算上の等力価の用量を25-50%に分別を働かせて減量する。

(変更するオピオイド)
 あらゆるオピオイドの変更と同様に、他のオピオイドからブプレノルフィンに変更する患者は疼痛の悪化そして/またはオピオイド退薬徴候を経験するかもしれない。ブプレノルフィンの注意深いモニタリングそして用量設定は、悪化している疼痛が即座に対処されていることを確認されることを確実にするために必要とされている。
 オピオイド退薬徴候は胃腸管そしてインフルエンザに似た症状として出現する。例えば、腹痛、下痢、関節痛、筋肉痛、でありそして数日間持続する。
経皮吸収型そして低用量ブプレノルフィン舌下とともに、それぞれが以前使っていたオピオイドの用量でやっかいな症状が軽減されるであろう。
 しかしながら中毒医学において高用量ブプレノルフィン舌下を含んだ変更を行う時、実行することは初めのオピオイドを中止し、退薬徴候が悪化してくるのを待ちそれから初めてブプレノルフィンを開始する。このようにオピオイド退薬はブプレノルフィンにより促進されうることはないであろう。しかしそれよりもいったん退薬徴候が出現したならブプレノルフィンにより和らげられるべきである。

(薬物動態)
 経口のブプレノルフィンの生物学的利用能は低い(15%)。ブプレノルフィンは胃腸管粘膜や肝臓において大規模な代謝の初回関門を受ける。そこでほとんどは完全にCYP3A4によりノルブプレノルフィンに変換される。ノルブプレノルフィンはオピオイド受容体結合の親和性は
ブプレノルフィンと似ているが、容易には血液脳関門を通過しないし、たとえあるとしても中枢神経作用はほとんど持たない。ブプレノルフィンとノルブプレノルフィンは両者とも過去において、しかしながら最近の動物実験では、それは疑問視されているのだが、不活性型代謝産物と考えられていたものへとグルクロン酸抱合をうける。
 舌下のブプレノルフィンの生物学的利用能は約50%である。ブプレノルフィンは急速に口腔粘膜に吸収され(2-3分)、その後ゆっくりと体循環に吸収される(Tmax: 単回投与後30分~3.5時間、繰り返し投与で1~2時間)。このことは効果持続時間が6-8時間であることと合わせて考えると突出痛の治療には理想的ではないことを示唆している。それにもかかわらず舌下のブプレノルフィンの鎮痛発現は10~20分であると報告されていて、実際に高用量経皮吸収型ブプレノルフィンで治療されている患者のレスキュー鎮痛剤として効果的に使用されてきた。非経口的そして舌下投与後、ブプレノルフィンの70%は未変化体として便中に排泄され、いくらかは腸肝再循環する。一方でノルブプレノルフィンは主に尿中に排泄される。嘔吐は筋肉内または経皮投与より舌下のほうが頻度が高い。
 ブプレノルフィンは循環血液中に多く存在し、蛋白結合率が高い(96%;αグロブリンとβグロブリン)。ブプレノルフィンは腎機能障害時に蓄積せず、透析によって除去されない、したがって鎮痛作用には影響しない。ノルブプレノルフィンの蓄積は起こりうるが、この蓄積は臨床的には中枢神経系への作用がないことを示唆している。
 少量からの開始用量と注意深い用量設定を行うことは軽度~中等度ではなく重度の肝機能障害の患者では賢明である。ブプレノルフィンは胎盤を通過し、母乳に移行する。新生児禁断症候群の発生率、重症度、持続期間はメサドンより少ないようである。
 ブプレノルフィン静脈内投与の生物学的利用能は定義上は100%で皮下投与も本質的には同様である。生物学的利用能は経皮吸収型パッチに関しては関係がない。一定の薬物供給率はパッチの推奨された使用期間の間ずっと患者に供給する平均の薬物量に影響する。必然的に個人さが存在する。経皮吸収型フェンタニルに関連したデーターから推測すると、経皮吸収型ブプレノルフィンの吸収は、おそらくは皮膚の水和作用の喪失により悪液質の患者では減弱する。薬物動態学的データーは表1に要約されている。
img232(文献から引用)

(注意)
 肝機能障害。中枢神経系抑制薬、特にベンゾジアゼピンとの併用による相加作用。高齢者、悪液質、衰弱した患者、そして慢性呼吸器疾患に罹患した患者において呼吸抑制の危険性は高くなる。頭部外傷、頭蓋内圧亢進、または意識障害の患者では、鎮静状態と呼吸抑制のモニターを。
 QT延長を認める患者、またはQT延長の家族歴のある患者、またはクラスⅠAまたはクラスⅢの抗不整脈薬を投与されている患者では回避する。高用量ブプレノルフィン舌下と抗レトロウイルス薬、特にデラビルジン、リトナビルとの併用はQT間隔を延長されるが、このことに対する臨床上の重要性は確かではない。
 
(薬物相互作用)
 ブプレノルフィン硬膜外投与にケトロラック筋肉内投与を併用した時に呼吸抑制が認められたとの1つの症例報告がある。
 ブプレノルフィンは主にCYP3A4により代謝され、もし
CYP3A4阻害薬(シメチジン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、トロレアンドマイシン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、プロテアーゼ阻害薬)と同時に処方されるなら、ブプレノルフィンの血中濃度が上昇する可能性があるためメーカーや他の人は注意を喚起したり、または併用を避けるよう助言します。CYP3A4阻害薬にとってこのことは理論的な懸念であるが、ケトコナゾール、アタザナビル、リトナビル、そしてデラビルデジンは高用量舌下薬(8~16mg/日)を投与されている患者においてブプレノルフィンの血中濃度を著明に増加させることが示唆されている。それゆえに、高用量のブプレノルフィン舌下薬を投与されている患者において、もしケトコナゾールやその他のCYP3A4阻害薬を併用するならブプレノルフィンの用量を半減にすることを推奨している。5~20μg/時経皮吸収型ブプレノルフィンを貼付している患者においてケトコナゾールを服用したときに有意差は認めなかった。
 逆にCYP3A4誘導薬(カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、リファンピン)はブプレノルフィンの血中濃度を下げるかもしれない。

(望ましくない効果)
 詳しくはメーカーの添付文章を参照。
非常に一般的(>10%):嘔気、紅班そして貼付部位の掻痒症
一般的(<10%, >1%):無力症、眠気、めまい、頭痛、浮腫、嘔吐、便秘、発汗

(用量と使用)
 BuTransはFDAの徐放性または長時間作用型オピオイドリスク評価と緩和戦略(REMS)を受ける必要がある。メーカーは患者に治療ガイドを提供し処方医が利用できるトレーニングを行うことを要求されている。処方医はトレーニングを行って、適切な使用、オピオイド過量服用の徴候、安全な保管と処分について常に患者と介護者に助言することを激励されている。
 オピオイド中毒の維持療法としてブプレノルフィン舌下製剤を処方する米国の医師は麻薬取締局の棄権証書が必要とされている。疼痛緩和に
ブプレノルフィン舌下製剤を使用することは適応外であるが故に管理困難の原因となりうる。
 すべてのオピオイドと同様に、患者は望ましくない効果、特に嘔気・嘔吐と便秘についてモニターされるべきである。個々の状況により、制吐薬や緩下薬は頓用または定期薬として日常的に処方されるべきである。
 米国では、高用量の適応外使用を除いては低用量の経皮吸収型ブプレノルフィンパッチ製剤は低用量のオピオイド(経口モルヒネ<80mg/24時間)を必要としている患者にのみ適応されるだろう。逆に高用量の舌下フィルム製剤を使用する場合は、たとえ半分にして使用する場合でも患者は強オピオイドの適度な容量に耐性がある必要がある。注射製剤の使用はこれら両極端の間にある患者に多大な適応性を与えるかもしれない。舌下使用のための水溶薬または低用量錠剤はブプレノルフィンのより実際的な容量がより便利に管理されるのを可能にするために調合されているが、このことはコストと他の含みがある。
 ヨーロッパでは低用量と高用量の経皮吸収型パッチは慢性がん疼痛や非がん性疼痛で使われるもっとも一般的な製剤である。特に確実に経口・舌下製剤をとることができない患者にとって、経皮吸収型ブプレノルフィンはオピオイドを管理するうえで代わりの侵襲のない投与経路となる。
 舌下や非経口的ボーラス投与と比べて、
経皮吸収型パッチはブプレノルフィンの開始量をより少なくし、より確実に供給することが可能である。したがってより寛大に取り扱われている。