貼付薬の皮膚接着のスコアリングツール、目視と画像編集ソフトの関連性について検討されています。

Validation of a Fentanyl Transdermal Adhesion Scoring Tool for Use in Clinical Practice.
J Pain Symptom Manage. 
2015 May;49(5):934-8. 


(背景)
 経皮吸収システム(transdermal system: TDS)は患者の皮膚を介して治療的有効量の薬剤を供給するようデザインされたものである。オピオイドであるフェンタニルの高い脂溶性と低分子量であるため、安全の供給、有効性、慢性がん疼痛の持続的な疼痛緩和にとってこの投与方法が適したものとなっている。フェンタニルTDSは薬物が放出される量は直接TDSの表面積に比例するように製造されている。貼付している間ずっと絶え間のないTDSと皮膚の接触は薬物の一貫した供給と吸収にとって非常に重要な事である。それゆえ、TDSの皮膚への接触の意義は、直接薬物供給と治療の有効性に関連する重要な要素である。もしTDSが持ち上げられたり(lifts: 浮いてしまう)又は部分的に剥がれたりすれば、TDSと皮膚の接触の有効面は減少し薬物の吸収が変化し、あるいは治療の失敗が引き起こされる可能性がある。TDSの接着に影響を与えうる因子として、 過度の発汗、皮膚の貼付部位、体温、血流、体脂肪、 そして角質層の健全性がある。
 血中濃度は接着してるTDSのパーセンテージに関連しているため、
TDS接触の程度は治療の有効性ばかりでなく用量のモニタリングや薬物動態(PK)の研究にとって重要である。もし接着の範囲が知られていないならば、フェンタニルの用量は不正確に調整され、そしてPK研究は誤解釈されることになる。それゆえ、検証されたスコアリングシステムが標本抽出する時の接着程度を評価するために必要とされている。FDAは製造目的のために製薬業界によって使われるためのスコアリングシステムを開発した(表1)、しかし臨床診療またはPK研究のためのパッチ接着ツールが存在するとするデーターはない。
img264(文献から引用)

(目的)
 がん患者でのフェンタニルTDS接着のためのFDAスコアリングシステムを検証すること。

(方法)
 画像のライブラリは患者またはボランティアに貼付したフェンタニルまたはプラセボのTDSの写真より作成された。
30枚の写真は様々な接着程度を反映し、それぞれのシリーズAとBのために両方のシリーズに共通の10枚の写真が選ばれた。それぞれのシリーズはFDAスコアリングシステムを用いて写真を点数化するよう依頼された30名の医療従事者に示された。検証はスピアマンの順位相関とコーエンのκによる信頼度を用いて評価された。写真編集ソフトはそれぞれの写真コントロールスコアを割り当てるために用いた。
img265(文献から引用)

(結果)
 両調査では強い有効性があることが示唆された(
スピアマンの順位相関が調査Aは0.954、調査Bは0.978、P<0.001)。スピアマンの順位相関は有効性試験にとって0.7~0.8のあらかじめ定義された相関関係は十分であると考えられ、>0.8は強い相関関係を表している。TDS接着のレベルを点数化したとき、経験年数において有意差は認められなかった(10年未満0.964、10年以上0.966)。
 コーエンのκ統計値は評価者内そして評価者間の信頼度を試験するために用いられ、κ>0.75は優秀、0.40~0.70はまずまず良好、そしてκ<0.4は不良を表している。評価者内信頼度はまずまず良好で、30名の参加者の各々によって点数化された両調査に共通の10のTDSの2つの測定値のための全体のκ値は0.605(P<0.001)であった。評価者間の信頼度は30名の参加者の間で計算されまずまず良好で調査Aはκ=0.547、調査Bはκ=0.620、そして調査AとBはκ=0.585であった(P<0.001)。
 予想されるようにスコア4(即ちTDSが完全に分離)のために評価者間の信頼度が0.885という優れたκ値を示して、部分的なTDS接着即ちスコア0(90%以上接着、κ=0.478)、スコア1(75~90%接着、κ=0.475)、スコア2(50~75%接着、κ=0.392)、スコア3(0~50%接着、κ=0.683)より高値であった。

(結論) 
 全体として、この研究で参加者が視覚的に決定したTDSの接着スコアは写真編集ソフトによって作成された
TDSの接着スコアはよく一致した。したがってスコアリングシステムを描写することは非常に効果的である。FDAのスコアリングシステムは臨床診療においてフェンタニルTDS接着を評価するのに十分なツールである。